公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会　

2016年5月号
No-116

相模南支部メールマガジン　　　

発行責任者　相模南支部長　大塚亮一

製作責任者　相模南不動産事業協同組合理事長　長沢正彦

　毎年の事とはいえ、あっという間に「さくら」の時期も通り過ぎ、若葉が映える新緑の季節を迎えるころとなりました。会員の皆様には如何お過ごしでしょうか。

　清々しい緑の中で、お腹いっぱい深呼吸して森林浴を楽しめるシーズンの到来ではあるのですが、4月14日・16日に発生した「熊本地震」には驚きと共に、そのすさまじい惨状を報道で知るたびに心を痛める毎日となってしまいました。

　前震、本震なんて言葉すら初めて知りました。今もなお余震が続き、倒壊した住まいの片づけもままならず、また襲ってくるかもしれない恐怖の中で避難所生活や車中泊を強いられている被災者の方々に、何とか絶望的にならず頑張る事ができるよう、できるだけの支援をしていきたいと思います。

　亡くなられた方、罹災された方々には心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
　また、会員の皆様にも早々と先の趣意書に基づく義援金のご協力を賜り有難く感謝申し上げます。

　不肖、私も出身が熊本で個人的にも皆様のご厚意に心より深く感謝申し上げる次第です。
　南海トラフや東南海地震の事ばかり頭にあり、まさか東北から一足飛びに九州に、それも熊本で起こるなど夢にも思いませんでした。不覚にも布田川・日奈久活断層など記憶のどこにもありませんでした。改めて自然の脅威を思い知らされました。

　他人事ではありません。震災の度ごとに思う事ですが、いつ我々の身に起こってもおかしくないという事が実証されている訳です。身を守るためには一人一人が自然に対する畏れの気持ちを思い出し、先人の教えを振返り常に準備を怠らず、自然の営みに対しもっともっと謙虚でいなければいけなんだ・・・と感じさせられます。

　先日、従妹から「少し落ち着いてきました。でもまだ怖い。震度７はもう嫌です。」とメールが入りました。一刻も早い終息と安寧の日々が訪れる事を祈って止みません。

　支部は恒例の「相模原市民さくらまつり」も無事終え、支部監査・役員会を経て5月10日の支部総会に向け進んでいます。今年は改選期です。役員の方々も一応任期満了となります。ご苦労様でした。もう少し宜しくお願い致します。
　
　私たち会員の総会です。総会後の懇親会も用意しています。ネット社会の影響か、最近ご無沙汰している会員様が増えたような気がします。顔合わせができる絶好の機会でもあります。是非、千寿閣まで足をお運びくださいますようお願い申し上げます。

支部活動の報告　

支部顧問・井口司法書士からの耳より情報

空き家にかかる譲渡所得の特別控除

　平成２８年度の税制改正により、空き家問題の有効な対応策になり得る「空き家の譲渡所得の３０００万円特別控除」の制度が創設されました（平成２８年４月１日から平成３１年１２月３１日までの間の譲渡が対象）。

　これまで、空き家については、ボロボロになった空き家をそのまま放置していたとしましても、固定資産税等の住宅用地特例が引き続き適用され、固定資産税や都市計画税の軽減特例が適用されていましたが、空家等対策の推進に関する特別措置法が施行された後は、同法による勧告を受けることにより、固定資産税等の軽減特例が受けられなくなります。
　
　固定資産税等の軽減特例が非適用となりますと、固定資産税等は５倍程度（巷では固定資産税等が６倍になるといわれますが、負担調整がありますので、この場合は税額が６倍になることはありません）増えてしまいます。これにより一定の割合で空き家の処分が進むと思われますが、さらにこの譲渡所得税の特別控除の制度創設により、空き家の処分がさらに行いやすくなります。

　この特別控除の制度は、空き家の「相続の日から起算して３年を経過する日の属する年の１２月３１日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋（耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む）または取り壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋または土地の譲渡所得から３０００万円を控除する」というものです。

　制度利用には、若干の要件（被相続人の土地建物を相続によって取得したものであること、被相続人以外の居住者がいなかったものであること、昭和５６年５月３１日以前に建築された区分所有家屋以外の家屋であること、相続時から譲渡時までに事業・貸付・居住の用に供されたことがないものであること、１億円以下の譲渡価額であること、家屋を取り壊さず譲渡する場合は耐震リフォームをしたものであること等）がありますが、不動産の流通促進に寄与する制度であることは間違いありません。

　今後、空き家の処分等の相談を受ける機会が増えると思います。その際には、この新しい税制を利用いただき、空き家の解消に向けての取り組みを進めていただければと思います。

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